前回(1)で、ダルシマーという楽器を紹介しながら、私が使っている楽器をハンマー・ダルシマーと書きました。これはアメリカには2種類のダルシマーがあるからです。
これがもうひとつのダルシマーです。 1959年に、このジーン・リッチーが、この楽器を持ってニューポート・フォーク・フェスティバルに登場し注目を集めます。マス・メディアが彼女の楽器をダルシマーと紹介するのを見ていた打弦のダルシマーの愛好家が、自分のダルシマーを紹介したいと思い、1964年のフェスティバルに楽器を登場させました。そのときこの楽器は、Hammer Dulcimerと記録されたのです。 当時のアメリカの音楽辞典にも、ダルシマーという楽器はピアノの原型と考えられる台形の楽器だと書いてあるのですが、ジーン・リッチーの楽器の方がダルシマーとして広まってしまいます。けれどハンマー・ダルシマーも広まってきます。この頃、Hammer Dulcimer という名前の他にhammerを動詞にしたHammered Dulcimerという言い方も使われるようになってきました。一方、ジーン・リッチーの楽器はアパラチア地方のという意味でAppalacian Dulcimer やがて、アパラチア地方だけにあるのではないと、 Mountain Dulcimer と呼ばれるようになり、30年の間に、Hammered Dulcimer, Mountain Dulcimerという呼び方が一般的になってきたようです。 今ではイギリスの演奏家も国際的な活動のために、Hammered Dulcimer と書いています。
by yt-aoki
| 2010-03-11 23:24
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