演奏旅行

ハートストリングス(Heartstrings)はアマチュア集団。けれどメンバーの半数が10年を越え、演奏機会も増えてきた。

メリー・ストリングス(Merry Strings)は、私と和歌山の木下加寿子さんとのダルシマー・デュオ。2005年の美野里ダルシマ&オートハープ・フェスティバルでデビューして以来、1年に1回程度演奏し、2007年秋には、ドイツ・オーバーアマガウで開催された世界打弦楽器大会にも参加してきたが、2009年2月の打弦楽器見本市以来演奏の機会がない。というのも、木下さんが家を建替えることになったのだ。新しい家にはホールを作りたいとのことで、見本市の晩にその構想を聞いた。

そして今年の3月、彼女の新しい家ができた。4月には杮落としにピアノのリサイタルがあり、55名の2回公演で110人が聞きに来たという。私たちも家ができたら新築祝いに行くねと、半分は合宿というつもりで言っていたのだが、来るならコンサートをして言われてしまった。ハートストリングスだけでは心もとない。ハープの森さんにスケジュールを聞いてみたら大丈夫というので、ハートストリングス&サウス・ウィンド(South Wind)としてのコンサートをすることにした。

決まった日程は7月の3連休。勤め人もいるので、こういう日程を選ぶしかない。けれど逆に、すでに予定が入ってしまっている人もいる。結局ハートストリングスからは私のほかに3人が行くことになった。けれどこの顔ぶれ、ちょうど美野里と発表会でソロを弾いているので準備はできている。

細かい詰めに入っていくと、いろいろ思いがけないことが入ってくる。
当初、18日の日曜日には、木下さんの地元でのデュオ、メリー・チューン(Merry Tune)に演奏依頼が来ているということで、「日曜日に観光しててくれると助かるわ」だったのが、「一緒に出てくれる?」に変わった。
また土曜日は、2時ごろをめどに行くから、夕方コンサートとをと思っていたのが、「こっちの人たち、夜はだめなのよ。3時か3時半から1時間にして」となり、リハーサルなどの関係から和歌山入りを1時間早めることとなった。
そして、2週間前の、メンバーの怪我。7月4日の練習会前に転んだKさんは結局骨折、ギブスに松葉杖ということになってしまったのだ。どうする?と聞いたら、(観光するつもりで)奈良までの夜行バスを予約しているし、楽器は当初から車で行くと言っていたYさんに預けられるし、行きますとのこと。「無理しないでね~、楽器は他人にまかせるのよ。」

1週間前にハートストリングスの曲を7曲、サウス・ウィンドの曲を5曲にソロ曲を4曲、合計16曲を選び(一人はハートストリングスの曲の中でソロを弾く)、構成し、プログラムを作った。サンプルを木下さんに送って様子を聞いたところ「20人くらいかな」というので、30部プリントして持参することにした。

さて当日も、新幹線に乗るや「大阪和歌山間が土砂崩れで通行止め。Yさんに連絡して」とか、「夜行バスが2時間遅れました。同じ電車になります。」とか、「木下さんが別の駅まで迎えに来てくれることになりましたのでそちらに行きます」とかいろいろあり、しかも遅刻の前歴のあるYさんはどこまで到着しているのかわからずちょっと心配。後から、最初に到着したのだと知った。

とにかく無事演奏者全員が木下さんの家に到着し、リハーサルを始める。曲順どおりにしようと思っていたら、Yさんが大阪から来る友達を駅まで迎えに行くというので順番を変える。なんとか全体像を掴んだところで3時となりお客様が入り始めた。そして、準備していた椅子では足りなくなり、プログラムがなくなり、椅子を出したりプログラムをコピーしたり。そろそろ始めても良いかしらと声がかかった時点でYさんはまだ戻ってなく
「ちょっと待って!」
「そろそろ3時半よね、どうしよう」
と言っていると、田圃の向こうからこちらへ曲がってくるYさんの車が見えた。

コンサートは木下さんのご挨拶から始まる。そして彼女が1曲、メリー・チューンとして2曲演奏して私たちを紹介してくれる。ステージに立ってみれば、満席のお客様に録音スタッフ、2階のバルコニーからは奈良から参加のCupolinさんがビデオカメラを回している。1曲目の「ふるさと」を一緒に口ずさんでくださる方がいる。3曲目はリハーサルで決めた変更が忘れられ、変更しようとして落ちてしまったメンバーもいたが、こういう時は、堂々と弾き続けている方が勝つ。「がんばって入って来てね」と思いながら伴奏を弾く。そんなこともあったけれど、どの曲も大きな破綻なく演奏できて、お客様もとても暖かく迎えてくれた。プログラム終了後はドイツ以来一度も合わせてなかったメリー・ストリングスのイタリアン・グラウンドを演奏し、シュークリームとコーヒー紅茶をお出しする。

ハープの森さんの古いお友達、木下さんのピアノの生徒さん、翌日のコンサートの関係者。いろいろな方たちとお話させていただいて、楽器の紹介をして、お客様が帰られてからフロアの掃除。人手があるうちにピアノを元の位置に移動するため。

大きなテーブルをセットし、しばし歓談。それから温泉施設へお風呂と食事に出かける。戻ってそれぞれ寝る場所と布団を確保してから、飲む人は飲む、寝る人は寝る。

翌日の演奏はある宗教関係の集まり。10時に出発してリハーサル、12時から参加者の皆さんとともにカレーをいただいて13時からの演奏。順番は、メリー・チューン、ハートストリングス、サウス・ウィンド。15時ごろ終わって記念撮影があって、急いで木下さんの家へ戻る。そんなに客が入るとは思っていなかったけれど、一応16時からワークショップの予定のため。ここで7台のダルシマーを円形に並べた。2階から見るとなかなかの眺め。

関係者相手に、ワークショップって例えばこんな感じと試していたところへ、お客様が2人来てくださった。昼の演奏を聞いてくれた方たち。楽器を紹介して触ってもらって、家の中もご案内。さらに昼のコンサートをお世話してくださった方が、差し入れを持ってきてくださる。そこでワークショップも早々に切り上げ、お茶にする。

そして夜は、食事と温泉に行って、戻ってさまざまな楽器を弾いたり、しゃべったり、飲んだり・・・。

翌日の電車組は、新大阪10時台のこだま利用のため9時前に帰路に着き・・・お土産も買わずに新幹線に乗る。
と言うわけで、本当に単なる演奏旅行となったのだった。
山に囲まれた和歌山県橋本市と違い、帰宅した夕方の東京は、恐ろしいほど暑かった。
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by yt-aoki | 2010-07-21 00:23 | イベント・コンサート | Comments(1)
Commented by 小松崎健 at 2010-07-22 05:52 x
演奏旅行、お疲れさまでした!いろいろ大変だったみたいですね。僕も年に数回演奏旅行に行くので、旅のトラブルのご苦労、よく解ります。
youtubeでCupolinちゃんの動画を観ました。ほんとに素敵なホールですね。響きもとても良くて、感動です。ここを拠点にダルシマーファンがどんどん増えることを期待します。
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