三毛猫ホームズの推理

ある夜突然ツイッターで、ダルシマーの録音の仕事依頼が来ました。詳細はメールでというのでアドレスをお知らせし、届いたメールに、私の楽器はクロマチックではないけれど良いかと確認の返信しました。具体的に足りない音もお知らせして。メールには私の演奏を見たとあったので、「そうか、私の演奏でよいのなら・・・」という感じ。もちろん録音は限られた時間内にきっちり仕上げなければならないし、いろいろ大変なことはよく知っています。けれど私をみつけてくださったのなら、私は私ができるかぎりのことをしたいと思ったのです。

翌日電話でお話し、すぐに楽譜と音源を送っていただいたのですが私は外出先で見ることができず、深夜帰宅して楽譜を開いてみたところ・・・

   が~~~ん!!!

フラットがいっぱい並んでいるのです。
私の楽器はD major(#2つ), G major(#1つ), C major, F major(♭1つ), A major(#3つ)しか弾けないと思っていたので、

   「何でこれが弾けるの~~?」

それから音を拾ってみるのですが、A♭=G#だからここ、D♭=C#だからこの音は
こっちで、E♭=D#・・・無理でしょう。こんな深夜に頭が働かない。それで「無理です」というメールを送って休んだのですが、翌朝妙に早くに目が覚めました。

ピアノ・ダルシマーならできる?

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何年ぶりの登場か、とにかくピアノ・ダルシマーをチューニング。もちろん音はこちらの方が確実で、半音進行は近いので弾きやすい。ただ、何年も弾いていなかったので、勘が取り戻せず、ちょっと離れた音がわからない。でもこちらの方がなんとかなりそう。そう思って急いで提案のメールを送ったのですが、私の空き時間はその日のみ。さすがにその日にちょっと練習しただけではダメで、ご迷惑をおかけすることになりました。2日ほど時間をいただいて、録音しなおし。

2曲依頼されたもう1曲の方は、音域的にピアノ・ダルシマーでは無理。いつものD35で弾くことにしました。

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足りない下のB♭はBを下げて作り、さらに下のCは、そのフレーズだけ別録音にしていただいて、その場で下げるつもりで練習していたのですが、もともと持っているB♭の音(右側ブリッジの一番上の白)がひとつだけ硬くて気にかかるのです。1時間ほど弾いてから、C majorのB(左側ブリッジ上から2番目の白の下の黒)を下げることを思いつきました。なぜならB音はD majorの中にもあるから(左側ブリッジ下から2番目の白の上の黒の左側)。これがダイアトニック楽器のよいところ。同じ音が2箇所3箇所にある場合があるのです。

BをB♭に変えたことで、思わぬ効果がありました。ブリッジの反対側にFができて、あるフレーズが弾きやすくなったのです。その代わりBが出てくるフレーズは覚えなおし。けれどこの工夫のおかげで、こちらの曲の録音は1時間で終わりました。

こんな裏話にお付き合いくださるのは、実際にダルシマーを弾いている方だけでしょうね。でも音の制限のある楽器を使っていると、弾けないはずの調や音が聞こえてきたりすると、とても気にかかるのです。だから皆さんを悩ます前に、手の内をさらしておきます。それに今回の変則チューニングは結構気に入っていて、まだ戻してません。他の曲にも使えそうで、新しい世界が広がった感じがしています。

というわけで、4月14日(土)夜9時スタート、日本テレビ系のドラマ「三毛猫ホームズの推理」をどうぞお楽しみに。メイン・テーマをピアノ・ダルシマーで弾いております。
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by yt-aoki | 2012-04-02 20:07 | イベント・コンサート | Comments(0)
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