またまた健さんから紹介していただいた動画。
この楽器で一番目につくのが、右側の音が高いということ。 よく鍵盤楽器奏者に言われる「なんで左が高いの?」に答えるというか、作ればよいということだ。 そしてこの動画を見て、聞いて、考えた。 ダルシマーの音を一音変えれば、似たものができるかも。 やってみたのが、この動画。 ジプシー音階とかジプシー短調とか言われる音階がある。 ドレミで言うと、短調なのでラから始めて ラ シ ド レ# ミ ファ ソ# ラ と レ と ソ にシャープがつく。 この音階を特徴づけているのが、ドとレ# ファとソ#の増2度という音程だ。 この音階は19世紀の作曲家たちに、ハンガリー風と思われてよく使われたそうだ。(実際にはハンガリーのものではない。) ダルシマーのd の音をd#にしたことで、この音階の最初の5音が弾きやすくなった。 +が長音階の始まりを示すマーク(私のダルシマーで言えば白)とすると e (ラ) | a (レ) d (ソ) + g (ド) c#(ファ#) | f#(シ) b (ミ) | e (ラ) a → a#(レ#) + d → d#(ソ#) そしてこの5音は、ユダヤの音階である。(参照:茂木健著『フィドルの本』音楽之友社、1998) ダルシマーがいろいろな地域に広まるにつれ、チューニング法を変えてきたということがよくわかる。演奏中にそうそう変えることはできないけれど、一音変えただけで、違う色が聞こえてくるのは面白い。 さて、最初の動画、タイトルはHutsull Tsymbaly from Tjacivとあり、楽器はウクライナのtsymbalyだと書いてある。それではUkraineとtsymbalyでYouTubeを検索したらほかにも出てくるだろうと思ったが、これと同じ右側の音が高い楽器はないようだ。 HutsulはウクライナのCarpathian山脈にあり、音楽とクラフトで有名なところらしい。 → Authentic Hutsul Music from the Ukrainian Carpathians
by yt-aoki
| 2012-05-11 13:16
| 楽器
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