ピアノの祖先?(2)

パンタレオン・ヘーベンシュトライト(1667-1750)、ドイツの音楽家。バッハより18歳年上のこの人はライプツィヒ大学に学び、ヴァイオリンを弾いたり舞踊を教えたりしていましたが、借金で首が回らなくなり、とある村に身を潜めました。そこでダルシマーに出会います。彼はこのダルシマーを大型の楽器にすることを思い立ち、新しいダルシマーを作っただけではなく、その卓越した演奏で借金を返済し、その後ヨーロッパ各地の宮廷に招かれ、演奏して回るのです。そして1705年にルイ14世の御前で演奏し、感服した太陽王から「その楽器をパンタレオンと名づけるが良い」と言われたのだとか。

ヘーベンシュトライトは1706年にアイゼナハの宮廷に移り、子供たちの舞踊教師を務めます。その後アイゼナハの楽団の楽長となった大作曲家テレマンは、ヘーベンシュトライトがパンタレオンだけでなくヴァイオリン奏者としても優れていたと評価しています。

その後1714年にドレスデンの宮廷に召抱えられ、亡くなるまでドレスデン過ごしたのでした。この大型の楽器はガット弦と金属弦を使用していたためメンテナンスには多大な費用がかかり、しかも彼は模造品の製造を許可せず、弟子も数人。楽器の詳細については、目撃証言しか残されていません。それもあいまいなため、復元もできないのですが、私はマリーアントワネットの遺品と言われる、ティンパノンを弾く婦人のオートマタ(自動楽器)を見た時、これこそがパンタレオンではないかと思いました。

以前このブログで紹介した動画はこちら→ティンパノンを弾く貴婦人
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by yt-aoki | 2012-06-19 23:40 | 歴史 | Comments(0)
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