アレンジ

先週の練習会は、珍しく全員が揃った。先月から揚琴で参加しているメンバーがいて7人。中国楽器でも、中国音楽より私たちのレパートリーの方が彼の志向性に近いらしい。結局、何を弾きたいかが問題になるのだ。それが合えば、一緒にやっていける。他のメンバーにしてもそうなのだろう。同じハンマー・ダルシマーでも、デイヴ・ニーマンに習った曲を中心に、日本の曲、アイリッシュ、ときにはバッハやクリスマスの讃美歌と、それぞれが出してくる希望に同調できるから、このクラブが成立しているのだろう。

チューニングをしてしばらくは皆それぞれに練習をしている。その最中、私はある曲を思い出していた。ピアノ・ダルシマー用に作りはしたが、やはりテレビから流れてくるたびにきれいなアレンジだと思っているあの曲・・・。実は先月末に、たまたま楽器店でピアノ・ソロ用の楽譜をみつけて、ドラマの写真が使われている表紙が恥ずかしいなと思いながらも買ってしまっていた。一通りピアノで弾いてみてもはやり好きなのはこれ、というその曲のイントロを思い出しながら、D majorで弾いてみると、意外に弾きやすくてよい。ピアノ・ダルシマーでは、手が交差してとても弾きにくかったのだ。

帰宅して楽譜を見ながら、元はC majorのその曲をD majorに直し始めた。夕方出かける予定があったので、それまでの約2時間を費やし、あと数小節というところまで作り上げた。その後毎日、何かしら急ぎの用がはいってしまい、中途半端なままだったアレンジを今日になって完成。ピアノ譜を見ながら、ダルシマーにある音だけを拾っていたが、コード進行の変わり目などは元譜のように入れようとすると、結構うるさくなってしまう場合がある。それで実際に弾いてみて、引きにくいところ、余計な音を抜いていくのだが、なんと後半、楽器にない音を使ってしまっていた! それもメロディーラインに。

とりあえず1オクターブ下げてみるが、伴奏に隠れて聞こえない。
仕方ない、C majorでやり直し。

D majorにしたのは、イントロが弾きやすかったことと、曲の冒頭のベースラインがド-シ-シ♭という半音階進行で、D majorならそれが弾けるから。私の楽器にB♭は1箇所しかないから、このベースラインもあきらめなければならない。これが全音階楽器の限界。

ない音を作ってしまうというのもひとつの方法。そして、アメリカの楽器がどんどん大型化しているのも、そのため。けれどその限界の中で、うまく処理してきれいに響かせられたら、その方が楽しい。私が、アメリカでは初心者用の練習用楽器とみなされている2オクターブ半の小さな楽器を使い続けている理由は、そこにある。
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by yt-aoki | 2007-08-10 10:15 | ハンマー・ダルシマー | Comments(4)
Commented by hirotaka at 2007-08-13 21:41 x
初めまして、実に詳しい打弦の御知識、感服しながら拝読しております。
実は私も10数年来の打弦fun.今年ついにmini-dulcimerを購入、苦心の毎日です。突然で真に申し訳ないのですが今santurを入手しようかなと考えております。4弦。9/9の小さなmodelですが。その際turning chartは一般的なUS hammer dulcimerと違う物でしょうか。
誠に勝手な質問でありますが宜しかったらご教示願います。
Commented by yt-aoki at 2007-08-15 00:48
hirotakaさま
サントゥールについては、実はあまり詳しくありません。というのも、イランの音楽は、西洋音楽の半音よりもさらに狭い音程を持っていて、私には手におえないだろうと踏み込んでいないのです。
というわけで、文献的知識だけでお答えしますと、アメリカのハンマー・ダルシマーと違い、左側のブリッジの左右は1オクターブの関係になります。また左側のブリッジ右側と、低音(右)ブリッジの関係も1オクターブです。そして、それぞれの列の弦の並びは、イランの旋法となります。
もちろんそんなことは無視して、西洋音楽の音階に合わせてしまうというのもひとつの方法だと思います。ただ、9/9では、半音階にするわけにはいきませんから(西洋音階は半音で12なので)、長音階に合わせてしまったら、ピアノの白鍵しかでない楽器になります。これって、演奏するには難しくなりますよね。もちろん演奏したい曲の中にある、シャープやフラットがついた音の種類が2種類しかなければ、白鍵の音とその黒鍵の音でチューニングすればよいと思います。
説明するのが難しい話題です。これでお分かりいただければよいのですが。
Commented by hirotaka at 2007-08-15 07:22 x
有難う御座いました。要するに微分音でのturningが基本で。
hammer dulcimerの5度ずつずらしている所が1octずつになっているというのが基本的な理解でよいのでしょうか。
実は今使っているdulcimerが9/8で。9/9のsantoorを同じturningで使えたらとかんがえているわけでして。当方初心者ですのでまだぴんと来ない部分があります。mailさしあげてるかもしれません、有難う御座いました
Commented by ひろたか at 2007-09-15 22:18 x
前略、その節は親切なAdvice,有難う御座いました。
只今Santoor(Iran製)が在ります。本来1couse4弦、9/9なのですが追加bridgeで10/10まで増やし、12分率に直して叩いてみています。
dulcimerの5度関係も捨てがたったのですが、とりあえずbridgeはそのままで使うと思われる半音を割り込ませて3octとしております。
又santoorは低音弦が多分bronze?高温がsteelで低音弦は大変デリケートで柔らかく、切れます。gaugeも一律な様で全体にtennsionを落としてtuneしてるんですがやはり低音源のtensionが足りなく良い音がでないので巻き弦と単弦のoctにtuneしたりして試行錯誤の毎日です。何とかsantoorを現代風に良い音で鳴らしてやれたらと考えております、又adviceありましたら宜しくお願いいたします、Hart&stringsの活躍、楽しみにしております。
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