追っかけ

この3日間、北海道のダルシマー奏者小松崎健さんとラグタイム・ギターの浜田隆史さんのライブに通った。3会場ともそれぞれ雰囲気が違うだろうし集まる顔ぶれも違うだろうとは思っていたが、たまたまそれぞれ別の人と行くことになったため「皆勤賞」となった。そして新宿でも国分寺でも予期せぬ顔ぶれに会い、国分寺でも西荻窪でも新しい知り合いを作った。

小松崎さんを生で聞くのは2回目。前回は亀工房さんとHARD TO FINDさんの共演だった。そのときには、2台のダルシマーという楽しみがあったが、今回はソロをたっぷり楽しんだ。ソロを弾くのは大変と実感しているけれど、浜田さんが「小松崎さんは練習しすぎ」というように、弾くことが楽しくていつも弾いていらっしゃるそうだから(それゆえバチも磨り減ってしまう)、安心して楽しめる。

そしてもうひとつの予期せぬ楽しみが、浜田さんのラグタイム・ギターだった。文字でラグタイム・ギターと読んでいても「ギターでラグタイムやるんだ、面白そう」と冷静に思っただけだったが、実際に聞くとすごい。ラグタイムとは20世紀初頭のアメリカの、安酒場の喧騒の中で、ちょっと調子の狂ったピアノで演奏された陽気な音楽だが(というイメージだがというべきか)、主にピアノで弾かれる曲をギターで弾くのだ。しかもギターの奏法に変化をつけることによって、よりリズムが際立たせられる。これは演奏が始まるや、身体が揺れだしてしまう。おまけに浜田さんの作る歌はとても楽しい。最初に聞いたのが「雪かきの街」で、本人いわく「最高傑作」。3日間の中で1回しか聞けなかったけれど、こういう曲を作る人ならと思ったとおり、他の曲も楽しかった。

この二人は普段演奏している音楽が違う。だからお互い相手の音楽にあわせるのには、かなり苦労されたはずだ。特に浜田さんの作るきれいなメロディーラインは、ちょっと聞いただけでダイアトニック楽器であるダルシマーでは弾きづらいことがすぐにわかる。例えば私の使っているDusty Strings D-35では音がなくて弾けない。途中転調もするし、それも単純に属調・下属調への転調ではなく同音上での短調から長調への転調や、クロマチックな一瞬の転調(すぐに元調に戻る)などもあって、覚えることも弾くことも大変だったろう。

そういう曲に苦労させられた小松崎さんが最後に浜田さんに課すのは、アイリッシュ・リールのセット。私達ハートストリングスもアイリッシュ曲を弾くことがあるが、これは知らない曲だった。そして実は、キャロランの曲は別として、一番よく知っていたのが、西荻窪で演奏されたブルーグラス。1曲目を忘れてしまったが、St. Anne's Reel/Whiskey before Breakfast/Blackberry Blossomというメドレー。Blackberry Blossomは昨年オートハープと合わせるためにいただいたCDで覚えたものだが、他の曲はいろいろな演奏者のCDを聞くうちに覚えたものだ。ただそれが、ブルーグラスの曲とひとくくりにされるものだという認識がなかった。アメリカの楽器を使いながら、もちろんだからといって必ずアメリカの曲をやらねばならないというものでもないが、アメリカのルーツ・ミュージックに疎いことを実感した。
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by yt-aoki | 2008-02-16 01:08 | イベント・コンサート | Comments(0)
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