ピアノ

ピアノを弾くことは、大学卒業と同時に止めてしまった。その話をすると、もったいないと言われるが、多分大学の4年間で自分の力がそれほどのものではないと気づいてしまったのだ。だからといってピアノを手放したわけではなく、引っ越してもずっと持ち続けていた。とはいえ狭いマンションの中ではうるさいので、大学卒業後10年くらい経ったころ、その
Van Broadを人にあげて場所を作り、電子ピアノを買った。ヘッドホンで聞けるのが面白くてしばらく弾いていたが、結局年に1度、クリスマスの讃美歌を弾くだけになった。

ダルシマーを弾くようになってからは、アレンジの音の確認などにピアノを使っていたが、そのうちピアノ感覚でアレンジをすると音が多すぎるということに気づくようになり、ダルシマーが弾けるようになるにつれてピアノは使わなくなった。ところがある日突然バッハが弾きたくなり、インベンションを弾いてみた。長い間バッハには興味がなかったのに、右手と左手を均等に使わなければならない対位法の曲は基本なのかもしれないと素直に思えるようになった。

一方で音律を考えるようになった。今はチューナーによって、誰でも比較的容易にチューニングできるし、それだからこそクラブでアンサンブルができるのだが、ダルシマーを平均律にしてよいのだろうかという疑問は常にある。そして多分1999年頃の楽器フェアだったと思う。ハックブレットが出品されていた年、ローランドのブースでスピネット型の電子ハープシコードを触ったのだ。電子ピアノと違い、弦をはじくような抵抗感があり、音律も変えられてピアノよりはずっと小さな楽器に惹かれた。別に鍵盤楽器の専門家になるのではなく、音律の勉強をしたいだけなら、電子楽器で充分だ。そのときはハックブレットを買うつもりだったので3年後くらいに欲しいと思ったが、そのまま忘れてしまった。

昨年近所の家電量販店で、シンプルで小さくしかも安い電子ピアノを見て、買い換えたくなった。そうは言うものの、買い物の前にカタログの比較検討をするのは生まれ育った家の習慣だ。そして比較するうち、音律の変えられる電子ピアノが増えていることに気づく。しかし、そこにこだわりだすと値段は高くなり、簡単には決められなくなってしまった。それなのに先日、バッハと同じように突然モーツァルトが弾きたくなり、ソナタを弾いた。学生時代よりいろいろ知るようになって、モーツァルトも抵抗なく理解できるようになっている自分に気づくとますます、その時代の音律で弾いてみたくなる。

そして近々、ローランドはまた新しくC-30という電子ハープシコードを発売する。小さくて魅力的だけれど、高いのだろうなあ。
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by yt-aoki | 2008-03-17 15:26 | 音楽 | Comments(0)
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