スタイル

音楽ジャンルにはそれぞれ固有のスタイルがある。スタイルと言ってしまってよいのかどうか十分に検討したわけではないのだが、同じ曲でも、一部メロディーが違っていたりするのだということを初めて知ったのは、何年か前、美野里で夜遅くまで演奏していた時だった。オールド・タイムとブルーグラスだったかカントリーだったか、そこの部分はこちらではこう歌うんですよという話を聞いた。クラシックという世界で育ったものには、「そうなんだ」とまだ、わかったようなわからないような話だった。

それを実感したのは、先日アマチュアのブルーグラス・バンドの演奏を聞いたとき。
よく知られたビートルズ・ナンバーでも、彼らの演奏はブルーグラス・スタイル。それは楽器の特性なのかアレンジの仕方なのか、私が知っているものとはちょっと違っていた。

そして昨日は、友人のジャズ・ピアニストと一緒に演奏してみた。一度一緒に演奏してみたいという私の希望にこたえてもらったのだが、そう、私はジャズがよくわかっていない。ジャズの歴史がわかるCD10枚セットのアンソロジーを持っているが、それを何度か聞いた経験と、NHK趣味悠々を2ヶ月間見たという経験だけ。それにそもそも持って行ったダルシマーはダイアトニックでジャズには不向きな楽器だ。(ピアノ・ダルシマーならできるねって話していたが、最近ほとんど弾いてないので。)だから彼女が弾く中に、ダルシマーで単純にメロディーを入れただけ。たとえメロディーだけにしても、もう少しジャズっぽくした方がよいだろうと思うが、とにかく初めての試みを楽しませてもらった。

最近さまざまな楽器と交流させてもらい、それぞれの楽器の特性というものを考える。フレットのある弦楽器のメロディー進行、開放弦をはじく楽器でも、進行によっては次の音を弾くときに前の音が消音される場合があること。そう考えながら見てみると、ダルシマーに不向きな曲というのもわかってくる。例えばツィターの名曲「第三の男のテーマ」もダルシマーと間違えられることがあるが、あれはフレットのあるツィターという楽器だからこそのメロディー進行だ。(ダルシマーで弾くと、弾きにくいだけでなく、音もにごる。)また、他の楽器では自然なコード進行も、ダルシマーでは最悪の結果になることがある。

ダルシマーでどんな曲でも弾けるようにと楽器を大型化すれば、必然的にダンパーが付けられることになる。でもそれとは逆の方向、小さくて、音に制約があって、いつまでも音が残る、そんな楽器を生かすには、時には使いたいコードをあきらめなければいけない。メロディー進行も適切な曲を選ばなければならない。一方でそういう曲を探しながら、ジャズも弾いてみたくなる。ちょっと欲張りすぎかな。
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by yt-aoki | 2008-07-22 22:31 | ハンマー・ダルシマー | Comments(3)
Commented by 小坂@十勝産 at 2008-07-24 00:12 x
こんばんは。
ハートストリングス拡大練習会とカンテレワークショップのどちらにも参加できず残念。

実は、Aokiさんがかかれていたことと同じようなことをtoiさんにmixiメッセージしていてビックリしました。
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> オートハープはマッチングがいいのではないかと思うのですが
同じアメリカで盛んな楽器ですが、両者を取り入れたバンドは実は
思い当たりがなかったりします。
しかし、相性が悪くないのは美野里D&Aフェスでもわかっています。
ただ、これはオートハープだけではなくて、他の楽器との合奏も同様と
感じます。
各楽器の特性に合った曲の重ねあわせが選曲のポイントでしょうね。
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ジャズやブルーグラス等ではメロディはアレンジやフェイクで変えるのが普通だったりしますね。
むしろ、崩し方で演奏者のセンスやテクニックを表現したりわかったりします。

なんだかまとまりのないコメントになってしまいました。
すいません
Commented by yt-aoki at 2008-07-26 00:27
小坂さん、こんばんは。

ヴァイオリンやギターのように、たくさんの優れた教則本があるわけでもないマイナー楽器をやるってことは、自分で曲目探しをしていかなければなりませんね。

もちろん誰かがその楽器で弾いていたというのは大いに参考になるわけですが、それがすべて上手くいくわけでもないと思うのです。それで他の楽器のように、あまたある楽譜の中から選曲するわけにいかず、楽器の特性なんてことまで考えなければならなくなるのですね。

そのマイナー楽器同士を合わせようと思ったら、それぞれの特性を生かした曲を探さなければならなくなり、もっと難しくなる。確かにそのようにも思えるのですが、実は、共通する曲目の中で、私の場合、ダルシマーらしいメロディーの装飾法を考えれば良いのではないかなという気がしています。もしかしたら聞きなれたものとは違ってしまうかもしれないけれど、これがダルシマーらしいメロディーラインというスタイルが決まれば、お互いのソロが際立つのではないかしら。そうするともう少し気楽に、合わせてくれる人と一緒にできるのではないかと思います。
Commented by 小坂@十勝産 at 2008-07-27 22:11 x
こんばんは!
>ダルシマーらしいメロディーの装飾法を考えれば良い
同感です。
ただ、聴く方々が楽器自体を知らない場合は(オートハープではよくあります)、「~らしい」というのも知らないということに考慮が必要でしょうね。

一方で、自分的にはハンマーダルシマー(打弦楽器)とオートハープ(撥弦楽器)くらいの違いがあれば、「弾きやすい」というレベルの特性で選曲しても大丈夫ではないかなと感じます。
あとは、ソロのバックの時には音量を下げ音がぶつからないようにするという程度の合奏の基本を実行できれば、奏法やアレンジにそれほど悩まなくても行けると思います。

ブルーグラスでも楽器の特性まで考慮したバンドアレンジを考えるということはほとんどないです。楽器自体の構造や奏法という「しばり」だけで、充分違いがでるためかな、と。

問題なのは同じ種類の楽器の合奏ですねー。
さすがにユニゾンだけですと、すぐに満腹になるでしょう。
ソロ回しでも、かなり意識的に違いを出さないと各人の演奏が同じように聴こえてしまいます。
まあ、これは楽器個別のお話ですので、今回の話とは別ですね。
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