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ハンマー・ダルシマーとは

ハンマー・ダルシマーとは何ですか?

そんな質問が来て、書いてみました。
どういう相手に説明するか、対象によって少しずつ表現が違うのは当然ですが、これも現在の私の見解かなと思い、こちらにも記録しておきます。知識が増えれば、また、変わるかもしれません。


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ハンマー・ダルシマーとは

琴のように、共鳴箱あるいは共鳴板に沿って弦を張る楽器をツィター属と分類するが、その中で弦をはじいて演奏する楽器をプサルテリウム、弦をバチで打って演奏する楽器をダルシマーと呼んで区別する。ただし、プサルテリウムは指や爪の他、鳥の羽軸や棒でも演奏されるため、描かれている楽器を区別することは難しい。

プサルテリウムは中世ヨーロッパで使われていたが、弦を打つダルシマーがはっきりと区別できるようになるのは、15世紀になってからである。この楽器は地域により名前が違い、英語圏のダルシマーのほか、ハンガリー・東欧でツィンバロム、ツィンバール、ドイツ・スイスでハックブレット、イラン・インドでサントゥールとして知られる。ハンマー・ダルシマーという名前はアメリカで、撥弦楽器であるマウンテン・ダルシマーと区別するために使われるようになった言葉で、20世紀の半ば以降に定着した。

東アジアにはヨーロッパから海路でまず中国に伝わり洋琴(後に揚琴と表記、ヤンチン)と呼ばれ、中国から朝鮮半島、ベトナム、タイなどに伝わり、それぞれの地域の民俗楽器として発展をしている。日本では江戸時代、琉球使節が将軍の御前で御座楽(うざがく)の楽器として演奏したが、市中に広まるものではなかった。この琉球使節が徳川家に残した楽器が現在徳川美術館(名古屋)と徳川ミュージアム(水戸)に所蔵されていて、ヤウキンと記録されているが、徳川美術館のものには箱に「夜雨琴」と記されている。


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by yt-aoki | 2016-05-18 00:04 | 初めての方へ | Comments(0)

弾きやすい調は?

ハンマー・ダルシマーで弾きやすい調は、12/11(左のブリッジに12コース、右のブリッジに11コース)という2オクターブ半の楽器の場合はト長調かハ長調です。

私が普段使っているDusty StringsのD35というモデルは16/15(左が16コース、右が15コース、メーカーによっては15/14のものもある)の3オクターブの楽器で、この楽器になると、ニ長調も弾きやすくなります。弾きやすいというのは2オクターブ分の音を持つからで、他の調が全く弾けないというわけではありません。そして、この大きさになると、12/11にはなかったD#の音があるので、真ん中のハの音から上に1オクターブの半音階が弾けるのです。時々その半音階を実演するのですが、今回はちょっと趣向を変えて、ハ長調(C)、変ニ長調(D♭)、ニ長調(D)、変ホ長調(E♭)、ホ長調(E)、ヘ長調(F)、嬰ヘ長調(F#)、ト長調(G)の音階を弾いてみました。



Dusty Stringsの場合、高音部にも理論上足りないD#, G#, B♭を作っているので、ト長調より上も同じように弾けます。つまり、メロディーだけ弾けばよいのであれば、結構対応できるというわけです。
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by yt-aoki | 2011-08-10 16:20 | 初めての方へ | Comments(0)

ダルシマーという楽器(2)

前回(1)で、ダルシマーという楽器を紹介しながら、私が使っている楽器をハンマー・ダルシマーと書きました。これはアメリカには2種類のダルシマーがあるからです。


これがもうひとつのダルシマーです。

1959年に、このジーン・リッチーが、この楽器を持ってニューポート・フォーク・フェスティバルに登場し注目を集めます。マス・メディアが彼女の楽器をダルシマーと紹介するのを見ていた打弦のダルシマーの愛好家が、自分のダルシマーを紹介したいと思い、1964年のフェスティバルに楽器を登場させました。そのときこの楽器は、Hammer Dulcimerと記録されたのです。

当時のアメリカの音楽辞典にも、ダルシマーという楽器はピアノの原型と考えられる台形の楽器だと書いてあるのですが、ジーン・リッチーの楽器の方がダルシマーとして広まってしまいます。けれどハンマー・ダルシマーも広まってきます。この頃、Hammer
Dulcimer という名前の他にhammerを動詞にしたHammered Dulcimerという言い方も使われるようになってきました。一方、ジーン・リッチーの楽器はアパラチア地方のという意味でAppalacian Dulcimer やがて、アパラチア地方だけにあるのではないと、
Mountain Dulcimer と呼ばれるようになり、30年の間に、Hammered Dulcimer,
Mountain Dulcimerという呼び方が一般的になってきたようです。

今ではイギリスの演奏家も国際的な活動のために、Hammered Dulcimer と書いています。
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by yt-aoki | 2010-03-11 23:24 | 初めての方へ | Comments(0)

ダルシマーという楽器(1)

ダルシマーとは、主に台形の箱の上に金属弦を張り、木や竹のバチでその弦を叩いて音をだす楽器の、英語名です。この楽器は世界の各地に、その地域の音楽に適応した形であり、名前が違います。このブログのカテゴリーには、中国の揚琴、ドイツのハックブレット、アメリカのハンマー・ダルシマー、タイのキムを挙げていますが、他にもハンガリーのツィンバロム、ベラルーシのツィンバール、イランのサントゥール、インドのサントゥールなどがあります。

私が使っているハンマー・ダルシマーはDusty Strings社のD35というモデルです。

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左側のブリッジに乗る弦が16コース、右側のブリッジに乗る弦が15コース、それぞれ2本ずつで62本の弦が張ってあり、3オクターブほどの音域の楽器です。この位置から楽器を見るとこの説明がわかりにくいと思いますが、左側のブリッジに乗った弦は右側のブリッジの下を通り、右側のブリッジに乗った弦は左側のブリッジの下を通っていて、楽器の中間部で弦が交差しているのです。そして、左側のブリッジの左右と、右側のブリッジの左側を使います。左側のブリッジの左右の音は5度(右側がドなら左側はソ)になっています。

ソロで弾くと、こんな感じです。


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by yt-aoki | 2010-03-11 01:01 | 初めての方へ | Comments(0)